オセアニアでは、逆三角帆(クラブクロウ・セイル)を用いた帆船が盛んに建造され、人や物の交流に使用されていた。これらを総称して「セイリング・カヌー(帆走カヌー)」と呼ぶ。セイリング・カヌーには単胴のもの(アウトリガーカヌー)と双胴のもの(ダブルカヌー)がある。特にミクロネシア文化人やポリネシア人は天測や生物相の観察、うねりの観察などを用いた独自の航法技術(スター・ナヴィゲーション)を発達させ、時に数千キロにも及ぶ大航海を行っていた。
ヴェネツィアの旅行家マルコ・ポーロ(Marco Polo,1254年 -1324年)は20年近く元朝のクビライ・ハーンに仕えた。そのときのことを口述した『東方見聞録』において、元朝の南方交易用の帆船は、4本のマストを持ち乗員は60名程度であること、竜骨(キール)によって船体は高い強度を保っていること、浸水しても沈没を免れる隔壁構造の船体を採用していること、羅針盤によって正確な遠洋航行が可能であることを報告している。また、中国や黄金の国「ジパング」など、東方に莫大な富が存在していることを紹介し、後の大航海時代において東方を目指す強力な推進力となった。
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ヨーロッパの大航海時代に先立ち、中国の明朝では鄭和が1405年から1433年にかけて7回の大航海を行った。航海した範囲は東南アジア、インド、アラビア半島、アフリカ東岸にまでわたった。これらの航海には長さ173m、幅56mにも及ぶ巨大な帆船が用いられた。